猫の手は借りたくない

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野菜を植えるべく、畑を耕しているとふらりと猫が現れた。
野良だが人懐っこく、突然やって来ては餌を催促する半野良猫という奴だ。私も時折可愛がっている。
猫は汗水たらしながら畑を耕している私を一瞥すると近づいてきた。
餌の催促か?と、思ったが違うらしい。
猫は先程、私が作ったばかりの畝の真ん中にちょこんと座ると地面を掘り返す。
『もしや、農作業を手伝ってくれるのか?』
なんて思ったが、そんなわけなかった。
猫は掘ったばかりの穴の上に座り直すと尻尾をピン!と立てた。
「コラッ!」
私が怒りの声を上げるも猫は気にしない。
それどころか、きちんと穴を埋めて去って行った。

…ところで”シュレディンガーの猫”というものは御存じだろうか?
私は猫が埋めていったものを今も掘り起こしていない。
今はまだ、何が埋められているのか見る勇気がない…
公開:20/05/28 19:19

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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