ツチノコ旅行記

2
3

 私の旅は失敗だ。
 日本のどこかに存在するというツチノコを研究し、爬虫類学者の権威として人類史に名を残すこと。それこそが、研究者としての私の目的だった。
 この二十年間、資料を基に、この国を隅から隅まで探した……それでも、ツチノコを見つけることは叶わなかった。資金も底を突き、為す術無しだ……。
 自宅のソファーでうな垂れていると、部屋の隅から物音が聞こえてきた。そこには鉄製の大きなケージが置いてあり、その中ではヘビが這いずっている――ペットのダイアナちゃんだ。
 うむ。今日も可愛らしい。
 今、私の心を癒してくれるのは、彼女だけだ。
 実を言うと、ダイアナちゃんはかなり特殊なヘビである。跳躍力が高く、瞼がある。尾は普通のヘビよりも細いが、胴体は競輪選手の太ももほどの太さを誇っている――私の自慢のペットだ。
 はぁ……、いや、それにしても。
 一体、ツチノコはどこにいるのだろうか……。
ファンタジー
公開:20/05/27 18:44

ぢろ吉郎


11/4~11/13の期間、「勝手に秋のお茶漬けデー」と題しまして、お茶漬けの物語を投稿中!(ストーリーに繋がりはありません)
11/4:「御茶ノ漬駅へようこそ」
11/5:「茶漬湖の底へ」
11/6:「神々しきお茶漬け」
11/7:「お茶漬け勇者の箸と匙」
11/8:「茶漬中毒」
11/9:「米どころ、茶漬けの祟り」
11/10:「茶が先か、卵が先か」
11/11:「檻の中。お茶漬けと一人」
11/12:「お茶漬け博物館」
11/13:「明日のお茶漬け」
お茶漬け、完結。充実したお茶漬けデーになりました……!
Twitter、ゆった~りと更新予定です。
https://twitter.com/dirokichiro?s=09

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容