十辛子

「十辛子」これは、ある男が露店を出していた、おばあちゃんから100円で買ったものだ。

おばあちゃん曰く、これを食べれば10個の願いを叶えてくれる、その代わり10個大切なものを失うそう。

男は興味本位で食べてみて、お金持ちになりたいと願った。

そした、翌日買った宝くじで5億があった。

本物だと確信した、色々と願いを叶えてもらう。

世界一うまいものを食べる、美女といけないことをする、社長になる、こんな具合に9個の願いを叶えてもらった。

そのかわり、9個のものを失った。

妻もいなくなったし、友達とも絶交された。

そして、男の周りには、誰もいなくなった。

男は年をとり、一人で孤独に死にそうになる。

男は最後の願いを使った。

「私をもっと長生きさせてくれ。」

そう願った翌日、男は死んだ。

長生きする代償は、彼の残りの寿命だったのだ。