頭痛持ち

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頭痛が起こると、何も手につかない。
そんな時に、私を助けてくれる存在が「頭痛持ち」だ。
「頭痛持ち」は頭痛と共に、視界の片隅にあらわれる。そして、控えめに手を伸ばしてくる。
「頭痛持ち」は、私の代わりに頭痛を持ってくれるのだ。ただ、頭痛を私から完全に取り払ってくれるわけではない。
大事な会議や商談がある時、どうしても今日のうちにまとめてしまいたい資料がある時、頭痛持ちに私は頭痛を渡す。そうすると、その間は頭痛に悩まされることなく仕事に集中することができる。
一気に仕事を片付けて、帰宅する。頭痛持ちはその間も、頭痛を持って家までついてくる。
ベッドに入るところで、私は頭痛持ちに預けていた頭痛を受け取る。あとは眠るだけだ。寝つきは悪くなるが、それでも仕事の最中に痛いよりずっと良い。一晩眠って目を覚ますと、もうその姿はない。誰にも見えない私だけの救世主である。
ファンタジー
公開:20/05/26 11:22

arupara( 東京 西部 )

田丸さんがご出演された『情熱大陸』であらためて空想の力を思い知らされ、読むだけじゃなく書いてみたくなりました。

書いた文章のイメージをイラスト化するのが最近の楽しみです。

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