時をかけるグラサン

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会社からの帰り道、
商店街を通り抜ける途中
メガネ屋さんの出店があった。

ある商品を見て私は立ち止まった。

時をかけるサングラス2020円。

「店員さん、時をかけるって
どういうことなの?」

「そのサングラスをかけて見た
風景が全て10年前の風景に
様変わりします。」

うさんくさい話だが
2020円でそれが楽しめるなら
悪くないと私は
時をかけるサングラスを購入した。

早速かけてみると
本当にグラサンが
10年前を映している。

10年前、私が学生だった頃の風景だ。

毎日の学校からの帰り道に
コロッケを買っていた
今は無き精肉店、
山田ミートが目の前にある。

「おじさん、
コロッケ1つちょうだい。」
空き地に向かって私は
話しかけていた。
その他
公開:20/05/26 15:00

ウメザワ大統領( こりん星 )

ふつつか者ですがよろしくお願い致します。

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