シン・タイムマシン3.解決編

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 逆時間増幅器には問題があった。
動力源である原子炉はカセット式で、取り外して回収された使用済みカセットの処理方法が未解決のままだったのだ。
 小林くんと某社の開発チームは、回収したカセットを逆時間発生装置で再生する方法を研究していた。しかし再生に必要な核燃料は、再生する核燃料と同量で使用済みカセットを減らすことはできなかった。 
「明智博士申し訳ありません。私が軽率でした。」
「いいんだ小林くん。君には感謝している。」
この問題を解決しない限り博士の生涯をかけたタイムマシン開発も頓挫してしまう。小林くんは唇を噛み締めた。
 その時である。ピコカラガッシャン。研究室にある逆時間発生装置から自販機でジュースを買った時のような音がした。
 その中には[タイムマシンは30年後に完成する。小林より]と黒いマーカーで殴り書きされ、再生済みとシールの貼られたカセット式原子炉がひとつ入っていた。
SF
公開:20/05/25 22:51

尋亀( ネオトキオ )

巣々木尋亀(すずきひろき)と申します。

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