テーブルのアイスコーヒー

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 カラン、という音でタイピングの手を止めた。サイドテーブルを見ると、いつの間にか氷たっぷりのアイスコーヒーが置いてあった。
 そうか、妻が出かける前に作ってくれたのか。一言くらい声を掛けてくれればいいのに。
 とはいうものの、私は作家でパソコンの前になると周囲の音が聞こえなくなるようだ。この前なんか、夕食の時間なのに妻が耳元で怒鳴るまで気が付かなかった。何度も私を呼んでいたらしい。
 せっかくなのでコーヒーを口にする。やはり夏の暑い日は、冷たいコーヒーに限る。昭和の時代は、喫茶店で「レイコー」と言われるほど身近だったらしい。

 ふと時計を見た。もう妻が出かけて1時間が経っている。

 ……このコーヒー、大丈夫なんだろうな?
ホラー
公開:20/07/25 11:54

フィーカス

短編掌編をよく書いています。
時々何かに入賞したりします(2回)。
わけのわからない世界観を生み出したいです。

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