Tokyo Calling

東京に暮らしていると、土を踏みしめることはめったにない。

スニーカーのゴム底を通じて伝わってくる、コンクリートの冷たく硬い反発に耐えながら、僕は生きている。

コンクリートの下には、いったい何があるんだろう。

冷たい土か、朽ちた草木か、先人たちの魂か。

僕の魂もやがて、老いて朽ち果ててコンクリートの下に埋もれてしまうのか。

その上で、科学技術の粋がうごめいている。

そんな街で、僕は生きている。

コンクリートの下に眠る土や草木の温もりを、感じることのできる人でありたい。

それを覆うコンクリートの反発に、屈しない人でありたい。

負けないぞ。

東京が僕を追いつめる。僕は試され、鍛えられる。

東京が呼んでいる。