知らなかった情報

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夜、私の乗る宇宙船は東京に着陸する予定だった。

しかし、エンジントラブルで不本意にも違う場所へ不時着した。

困った。とりあえず降りて周囲を見よう。

我々タコ星人は、視覚が発達していない代わりに8本の腕があり、触覚が発達している。そんな私でも、おぼろげに手を広げて立つ人間を見つけた。

歓迎されている?

人見知りが多いと聞いていたが、そうでもないのか!

興奮のあまり、駆け寄って抱きついた。

日本人からしたら、異形に見えるだろう。

だが、口こそ噤んでいるように見えたが、拒否はされなかった。抱き心地は固かった。

それにしても、これが日本の服なのか。私は物珍しさにペタペタと触った。

これは確か、着物という服だ。更に、三角形の帽子も被っているらしい。

足は細長くスマートだ。

ただ、事前に得た情報に無かった。なぜ足が一本なのか…それに、なぜたんぼという所の中に立っているのかも…。
ミステリー・推理
公開:20/07/24 09:41
更新:20/07/25 00:28
400文字

文豪たこ( 神奈川 )

「30秒後に意外な結末」がテーマの140字ショートショーティスト。

面白ければそれでよし、と思って書く日々。

2020.7.15『影ができるスプレー』を初投稿。以降、約半年で150作品を執筆。

◎2020.11.15『ハロウィンの怪人』急上昇ランキング2位
◎12.05『星を見つけた』急上昇ランキング1位
◎12.19『無視される日本語』急上昇ランキング3位
◎12.25『高給な副業』急上昇ランキング3位
◎2021.2.6『ひねくれもの』急上昇ランキング2位

皆様からの「面白かった」が聞ければ、それ以上の喜びはありません。

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