カミソリの羽

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この世にまだ神様と天使しかいなかった頃のお話。
天使の羽にはいろんな種類があった。
綿菓子みたいな羽、虹色に光る羽、カミソリの羽を持つ天使もいた。
しかしカミソリの羽を持つ天使は大変悩んでいた。
「自分の羽は愛する者を傷つけてしまう」

悩んだ天使はある日思い切って羽を切り落としてみた。
そして急いで愛する者のところへ行き
「これでもう君を傷つけることはない」と言って強く抱きしめた。

抱きしめられた天使はそれはそれは驚いた。
「羽を切り落とすなんて!これじゃ、あなたは天界にいられなくなる!」
それを知った神様は、激怒して羽を切り落とした天使を地上へつき落としたのだ。

羽を切り落とした天使は、二度と天界に戻れず不老不死の力も奪われ地上で一生を終えた。
その後も羽を切り落とした天使が度々落ちてきた。
これが人間の始まりだという。

人間が空を飛びたいと思うのは、天使だった頃のなごりなのだ。
ファンタジー
公開:20/07/24 04:12
更新:20/07/24 04:56

あきもとさん

ショートショート、超超超初心者です。
人生でものを書いた経験がまったくないけど、ショートショート楽しいです。

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