これやろうぜ!

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休み時間の教室。

「おい、これやろうぜ!」

山田は下から上へ何かを投げるそぶりを見せた。ああ、ミニボウリングか。

「いいよ。こないだの日曜にパパと一緒にゲーセンの中でやってきたし。目標100だ!」僕は鼻息を荒くした。

ところが、山田の口は引きつっていた。

「えっ…お父さんは大丈夫だったの…?」

「ああ、たまにやらないと腕が鈍るなーとは言ってたよ」

「えっ、よくやってるの…?」

「うん。マイグローブ着けてね。めっちゃ速いし、端と端にあるやつを一気にバーンって出来るカーブも使えるし。僕、やり方教わったよ」

「いやー…お父さん、プロだね…俺、多分3いくかどうか…」

「少なっ!」

「まぁ頑張ってみるわ!後でおまえのテクニック見して」

「いいよ、約束する」

僕は笑いながら棚からボウリングセットを出そうとした。

その時。

山田は目の前にいる女子のスカートを勢い良く捲った。
青春
公開:20/07/22 12:10
更新:20/07/22 12:52
400字

文豪たこ( 神奈川 )

「30秒後に意外な結末」がテーマの140字ショートショーティスト。

面白ければそれでよし、と思って書く日々。

2020.7.15『影ができるスプレー』を初投稿。以降、約半年で150作品を執筆。

◎2020.11.15『ハロウィンの怪人』急上昇ランキング2位
◎12.05『星を見つけた』急上昇ランキング1位
◎12.19『無視される日本語』急上昇ランキング3位
◎12.25『高給な副業』急上昇ランキング3位
◎2021.2.6『ひねくれもの』急上昇ランキング2位

皆様からの「面白かった」が聞ければ、それ以上の喜びはありません。

Twitterでも活動中!
https://twitter.com/bungoutaco

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