くまカフェ
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「いらっしゃいませ」
くまの店主が優しい声音で出迎えてくれた。立派な体躯のツキノワグマだ。看板を見て立ち寄ったが、まさか本当にくまが営んでいるとは。
「この、くまカレーというのを一つ。あとはコーヒーを」
「かしこまりました」
「くまがカフェをというのは、やはり大変ではないですか」
「そうですねえ。いかにお客さんにくつろいで頂けるかが肝心なところで」
「どういう風にするんです?」
「ある程度、"くま"らしくいることです。その方が、かえって安心なさるかたが多い。イメージと実像、或いは期待と裏切りのバランスをいい塩梅に保つんです」
「なるほど」
くまの作るカレーは程よい辛さだった。
「美味しい」
「それは良かった。絞める前にリラックスさせる事で、肉が柔らかくなるんですよ」
「へえ」
「じゃあ、まあそういう事なんで」
「え?」
そう言うと、くまが私に向かって大きく大きく口を開けた。
「かぱっ」
くまの店主が優しい声音で出迎えてくれた。立派な体躯のツキノワグマだ。看板を見て立ち寄ったが、まさか本当にくまが営んでいるとは。
「この、くまカレーというのを一つ。あとはコーヒーを」
「かしこまりました」
「くまがカフェをというのは、やはり大変ではないですか」
「そうですねえ。いかにお客さんにくつろいで頂けるかが肝心なところで」
「どういう風にするんです?」
「ある程度、"くま"らしくいることです。その方が、かえって安心なさるかたが多い。イメージと実像、或いは期待と裏切りのバランスをいい塩梅に保つんです」
「なるほど」
くまの作るカレーは程よい辛さだった。
「美味しい」
「それは良かった。絞める前にリラックスさせる事で、肉が柔らかくなるんですよ」
「へえ」
「じゃあ、まあそういう事なんで」
「え?」
そう言うと、くまが私に向かって大きく大きく口を開けた。
「かぱっ」
その他
公開:20/07/22 00:29
Twitter⇒@MAHARADA_ ショートショートって難しいな 踊っとこ
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