エッシャー的世界 ―とある2人の女の夕刻―

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今朝の明恵は、張り切る自分を必死に自制しようとする風が見られる。こういう時は大抵何かやましいことがある…まるで不倫小説の展開とそっくりの思考プロセスを辿った自分に隆志は苦笑した。「じゃあ行ってくるわね。遅くなるから夜ご飯は先に食べていて頂戴」という声掛けに対し、「ん、あぁ。楽しんでこいよ」と投げやりな返答をした。*「ケイ君戸締りお願いね。晩御飯は冷蔵庫にあるからチンしてねー。聞いてる?ねぇ!」階下から聞こえる女の大声には毎回嫌気が差す。「うるせえな」「行ってくるねバイビー」時代遅れの何かを呟きながら母が家を出ていく。*駅まで向かう急勾配の坂を上り始めた明恵は、ピンヒールを履いてきたことを早くも後悔し始めていた。歩くたびに汗が拭き出す。その時、すれ違った若い女の顔を見て驚いた。「何あの人、上から来たくせに汗だくじゃない。走ってもいないのに息が切れてたわ」若い女の方も全く同じことを考えていた。
ミステリー・推理
公開:20/07/20 12:18
更新:20/07/24 11:17
2人 不倫疑惑 急な坂 ピンヒール 袖振り合うも多生の縁 汗だく おかしな共鳴 不可思議 見送る夫・息子

トラックの威を借る軽自動車

『常識ヘルメットの下はキテレツ脳髄』。
訳が分かりませんが、こんな気持ち(↑)でやっていきたいと思っています。
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ふと思いついたタイミングで更新します。
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