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悪ぶってみたくなった。家から短いナイフを持ち出して歩く夜道。別に誰かと喧嘩をする予定もない。
誰もいない道を選んで歩いた。しばらく歩いては足を止め、ナイフの鋭さを確認して、また歩き出す。その繰り返し。後ろにも人がいなければ、大きく振り回したりもした。
どれくらい歩いたか、ちょうどナイフを出した瞬間にキラッと星が流れた。それに反応して夜空を突き刺す。最高に酔った瞬間だった。そんなとき、不思議な声が聞こえたんだ。
「ころしてくれ…」
空から言われたようだった。驚いた俺は手をナイフを掲げたまま、辺りを見渡した。特に何もない、空では変わらず星が輝いている。
だがナイフから目を離した一瞬、ドサッという音とともに何かが落ちてきた。
人間の、男だった。男に押されて腕が降ろされる、がその手にナイフはなかった。
地面に転がる男はナイフが刺さった腹部をさすりながら、俺に笑顔を見せていた。
誰もいない道を選んで歩いた。しばらく歩いては足を止め、ナイフの鋭さを確認して、また歩き出す。その繰り返し。後ろにも人がいなければ、大きく振り回したりもした。
どれくらい歩いたか、ちょうどナイフを出した瞬間にキラッと星が流れた。それに反応して夜空を突き刺す。最高に酔った瞬間だった。そんなとき、不思議な声が聞こえたんだ。
「ころしてくれ…」
空から言われたようだった。驚いた俺は手をナイフを掲げたまま、辺りを見渡した。特に何もない、空では変わらず星が輝いている。
だがナイフから目を離した一瞬、ドサッという音とともに何かが落ちてきた。
人間の、男だった。男に押されて腕が降ろされる、がその手にナイフはなかった。
地面に転がる男はナイフが刺さった腹部をさすりながら、俺に笑顔を見せていた。
ホラー
公開:20/07/19 21:00
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