モノグローブ

2
2

高校生野球大会、地区予選決勝戦。
そこに初出場ながら大快進撃をしているチームがあった。
並み居る強豪校に一歩も引かず、食らいつくプレイスタイルはまるで狩りをする獣のよう。
その雰囲気に大会常連校でさえも恐れを抱いた。
なぜ彼らはこんなにも強いのか?それは彼らの使うグローブに秘密があった。
彼らの使っているグローブは己が内に語り掛けるモノローググローブ、通称・モノグローブだった。
モノグローブは語り掛ける。
「思い出せ、あの練習の日々を。強豪校に必ず勝つと誓っただろう!」
「練習通りにやれば大丈夫だ。練習で出来た事が本番で出来ないはずがない」
「彼女を、家族を、甲子園の舞台に連れて行ってやるんだろ?男を見せろ!」
「仲間を信じろ!失敗しても皆が助けてくれる」
自分にしか聞こえない声が己を鼓舞する。
ああ、俺達は勝てる。気迫は十分だ。
それに甲子園の決勝戦で使うエピグローブももう用意している。
青春
公開:20/07/19 19:34
更新:20/07/21 18:54

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容