お面屋さん

2
3

「『あいそわらい』のお面、ありますか?」
 私が振り向くと、そこには困ったような顔をした女の子が一人で立っていました。
「どうしてそのお面がほしいのですか?」
「あのね、こんどあたらしいお父さんができるんだけどね、お母さんが『あいそわらいしていればいいんだから』っていうの。でもね、それが何なのか分からないから。お母さんにきいたら『ただわらっていればいいのよ』っていうんだけど、わたしいつもわらってるんだよ」
 そう言うと、女の子は握っていた右手を開きました。
「これでかえますか?」
「ええ」 
 私は微笑みながらお金を受け取り、お面を渡しました。
「毎度ありがとうございます」
 女の子はお面を受け取ると私に向かってペコッと頭を下げ、「ありがとうございました!」と言って笑顔で去っていきました。



 その後ろ姿が完全に見えなくなったことを確認してから、私はそっとお面をはずすのでした。
その他
公開:20/07/21 06:40
短編を400字に縮めてみた 実は色々と裏設定があります

久寓

(玖寓→久寓に変えました)

読むのが好きです。
書くのは好きだけど苦手です。

作品を読んでいただきありがとうございます。コメント等大変励みになっております。

1週間に1作品投稿を目標にしています。
(現在体調不良のため休み中)

▼Twitter
https://twitter.com/kuguu_

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容