青空ポスト

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 午前零時。
 机に向かう。便箋を取り出し、紺碧色の万年筆で、想いを綴る。
 一枚目。二枚目。三枚目…。ありったけの想いは、文字に姿を変え、便箋を埋め尽くす。
 時刻は、もう午前二時。便箋は、十四枚目。手も目も疲れてくる。それでも、手を止めずに、書き続ける。最後のチャンスなんだ。


 便箋を封筒に入れ、家を飛び出す夜明け前。目指すのは…。

 “青空ポスト”

 それは、天国へと手紙を届けてくれる、水色のポスト。



 走って、走って、走って。
 やっと、見つけた。“青空ポスト”。
 君を失って、四十九日目。手紙をそっと、投函する。


 「今までも、これからも大好きだよ」


 夜が明けていく。
 朝焼けがスポットライトみたいに、“青空ポスト”を照らしている。涙が頬を伝う。拭う。

 目の前には、見慣れた真っ赤のポスト。
 そして、ポストの上には、手紙が一通。
 差出人は…。
その他
公開:20/07/20 20:43
届け、届け 青空ポスト

すみれ( どこか。 )

書くこと、読むことが大好きな社会人3年生。
青空に浮かぶ白い雲のように、のんびり紡いでいます。
・プチコン「新生活」 優秀賞『また、ふたりで』
・ショートショートコンテスト「節目」 入賞『涯灯』



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