公園のジャングル(つづき)

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急に地響きがしてきた。
ぼくは、それが足音だと気づいた刹那、目の前を巨大な恐竜が横切って行った。
あれは、確か図鑑で見たことがある肉食のティラノサウルスだ。先を見ると、群れになって狩りの標的である植物食のトリケラトプスを追いかけていた。
空を見上げると、翼竜のプテラノドンが飛んでいた。
遠くに見える湖には、首長竜のプレシオサウルスが水面から顔を出していた。
いつのまにか太古のジャングルにきていたようだ。
ぼくは、好奇心と恐怖心が半々になっていたが、高まる興奮が抑えきれず、さらに一歩を踏み出そうとーー。

友達の心配そうな声が頭上から聞こえる。ぼくは、ジャングルジムから落下して気を失っていたようだ。
ジャングルは跡形もなく消え去り、鉄のジャングルジムが公園にあるだけだった。
でも、あの体験が夢などではなかったと確信している。
ぼくの手には、始祖鳥の羽根らしきものがしっかりと握られていたから。
その他
公開:20/07/19 07:23
『とってもふしぎな創作ドリル』 ストーリー10 公園のジャングル 恐竜 ティラノサウルス トリケラトプス プテラノドン プレシオサウルス 太古 ジャングルジム 始祖鳥

山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育ち、大学時代は京都(御所の近く)、大学院時代は湘南(海ではなく山側)で過ごす。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年06月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。

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