2
2
「マキビシ」という道具がある。もともとは菱の身から作っていたが、鉄製のもの作ることで耐久性や殺傷能力を高めたり高めなかったりしたのだとか。
現在では当然使われていないし作られていないと思うが、今でもその伝統は日本に残っている。
「はい、こういった歴史がありますが、クリップの先を立てると簡単にマキビシができます」
「はーい」
幼稚園で先生が簡易マキビシの作り方を教えている。
「せんせー、いっぱいマキビシ作ったからばらまいていいですかー?」
「駄目よ、マサト君」
そう言うと、先生はクリップマキビシを取り上げた。
「先をこうとがらせて、殺傷能力を高め……」
「せんせー?」
「はい、出来上がり、どれくらい痛いか、試してみる?」
「え、やだ」
「じゃあ、こればらまいていいと思う?」
「……ダメ」
「そうね」
今日は「床に物をばらまいてはいけない」という話だった。
現在では当然使われていないし作られていないと思うが、今でもその伝統は日本に残っている。
「はい、こういった歴史がありますが、クリップの先を立てると簡単にマキビシができます」
「はーい」
幼稚園で先生が簡易マキビシの作り方を教えている。
「せんせー、いっぱいマキビシ作ったからばらまいていいですかー?」
「駄目よ、マサト君」
そう言うと、先生はクリップマキビシを取り上げた。
「先をこうとがらせて、殺傷能力を高め……」
「せんせー?」
「はい、出来上がり、どれくらい痛いか、試してみる?」
「え、やだ」
「じゃあ、こればらまいていいと思う?」
「……ダメ」
「そうね」
今日は「床に物をばらまいてはいけない」という話だった。
その他
公開:20/07/17 11:55
更新:20/07/17 12:02
更新:20/07/17 12:02
短編掌編をよく書いています。
時々何かに入賞したりします(2回)。
わけのわからない世界観を生み出したいです。
ログインするとコメントを投稿できます