永久回転自動扉

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回転扉に回っていた。半透明ガラス板に頭をつけてシャツの襟に汗が流れる。回転扉から出られない。前のガラス板にコツコツとノックする。前の男が返事をした。いつから回っている? わからない。どうすれば出られる? 見当もつかない。
ガラス板にセンサーがあるんだ。ガラスから離れたけれど止まらない。みんな同時に離れると止まるかも。回転扉には何人が回っているのか。コツコツと前の男に聞いた。私の前にも誰かいると彼はコツコツと聞く。しばらくして後ろのガラス板からコツコツ。私が四人目です。俺を含めて五人。みんな同時にガラスから離れようぜ。また伝言ゲーム。準備いいです。オーケー。俺はガラスから離れる。全員離れたらしい。扉の速度が落ちた。出口から前の男が出たらしい。次は俺だと思うまもなく、出口からどこかの馬鹿が入ってきてぶつかった。回転扉はまた速く回り出した。狭いところに俺は馬鹿と二人で回ることになった。やれやれ。
その他
公開:20/07/17 07:54

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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