円盤と球体

　宇宙から飛来した銀色の円盤が、とある公園の上空10メートルほどで停止した。どう見ても宇宙船にしか見えない。
　しばらくすると円盤の底から謎の球体が排出された。円盤本体は、不規則な軌道で、はるか彼方へと飛んで行った。
　政府も、マスコミも、大人も子供も老人も大騒ぎ。
　研究者たちはありとあらゆる方法で球体を研究したが、内側は空洞であり何かが入っていること、外殻は未知の物質でできておりいかなる衝撃にも耐えること、位しかわからなかった。
「あの中身は何なんだ？」
「もしかしたら、時限爆弾かもしれない」
「それとも球体型の宇宙人か？」
　様々な説が現れては消えた。しかし、なんの変化もないのでやがて人々は興味を失ってしまった。
　数年がたったころ、再び銀色の円盤が飛来。
　それと同時に、球体にひびが入り割れた。内側から無数の小型円盤が解き放たれ、親の円盤と共に青空へと消えていった。