楽しみ

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私は友人の「ある秘密」を知っている。
公になれば、彼は法的にも社会的にも大きな痛手を受ける様な秘密だ。
それはきっと、このままならバレずに彼は生きていくだろうから、私はずっと静観している。
友人だから見逃してやるという温情からでは無い。
彼がまだ、それほど充実した幸せな状態とは言えないから見逃しているのだ。
そう。彼の幸せの絶頂と言えるときに、彼の秘密を盛大に公表するつもりだ。
本当に楽しみだ……。


あれから20数年が過ぎた。
あの男は、ある有名企業の社長に就任するというニュースを知った。
「この時を待っていたんだ……社長就任おめでとう。そして俺が公開する秘密で、すぐに辞任……いや、クビか……おもしろい。待っていろよ」


「社長就任に当たって、身辺はキレイにしておきませんと」
 この数年、側近として付いている男は彼にそう言った。
「うむ。一人いるんだが……頼む」
「承知しました」
その他
公開:20/07/16 19:25

N(えぬ)( 横浜市 )

読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。

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