威厳

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「ここまで威厳が無くなったのは、僕はアマゾンのせいだと思う」
一族の定例会議。今回のテーマは威厳。そこで中年の男は憤慨して言った。
「あれでペットと同じにされた!」
すると、最近、隣村から引っ越して来た若者が静かに言った。
「僕はミスドにも責任の一端があるかと」
「ほほう」
その意見に誰もが唸った。
アマゾンのコマーシャルは一時的なものだったが、ポンデリングの方は半恒久的だ。
しかも誰が見ても我らが一族だと分かる上に、とてつもなく可愛い。
「君はどうすればいいと思う?」
議長はその若者に尋ねた。
「それも時代の流れですから」
「なるほど。では、とりあえず今回は様子見でいこうか」
若者は、肩を落としている中年の男に言った。
「大丈夫。また少しすれば、ライオンキングが僕たちの威厳を取り戻してくれるさ」
中年の男は力無く笑った。
こうして今回も、ライオンの定例会議は静かに幕を下ろした。
ファンタジー
公開:20/07/18 01:31
更新:20/07/18 17:59

三日月( アジア地区 )

日本語をこよなく愛する講師です。
オチにこだわる傾向あり。
よって、頂きたいものは笑顔と突っ込みです。
Twitterの4コマ小説に手を加えてこちらへ、ということも多々あります。
そういう意味では、こちらの方が若干デキがいいのかも知れません。
どうでもいい比較ですが。

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