私が好きな明日

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「好きなものは何?」
 娘に尋ねてみた。
「明日!」
「……明日? 何で?」
「えっとね、今日しっぱいしても明日になればわすれられる! それに、明日になればまたママや友達と遊べる! だから明日がすき!」
「じゃあ……明日になったら、何が好きになるの?」
「明日になったら、また明日がすきになる! だって、明日にも明日があるでしょ?」
「うん……そうね」
 私は明日があまり好きではない。何しろ、明日も仕事で嫌になるからだ。娘のためとはいえ、今の仕事は好きではない。
 でも、きっといいこともある。だから、娘の言うように、明日が好きになろうと思った。
「じゃあ、今欲しいのは?」
「今? うーんと……パパの明日がほしい!」
「パパの?」
「うん、パパと遊べる明日!」
「……そうだね」
 私も、病院で過ごしている夫との明日が欲しい。明日が好きになったら、神様はちゃんとくれるかな。
その他
公開:20/07/18 00:41

フィーカス

短編掌編をよく書いています。
時々何かに入賞したりします(2回)。
わけのわからない世界観を生み出したいです。

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