希望

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 二人で死地へと乗り込んだ。
 そこは一見すると穏やかな楽園だった。広い敷地に噴水付きの池、その周りに色とりどりの花々が咲き乱れる。私達の居住区は硝子で区切られて清潔に整えられ、栄養バランスの良い食事が毎日提供される。
「もし死ぬことになっても、ここでなら良いかもな」
 隣で君が言う。
「それに僕らが死ねば検体が手に入る。それで人類は助かる筈だ」
「死ななくたって実験は成功。それに私はこんなとこで死ぬつもり無いから」
 私の言葉に、君は驚いたように目を瞠る。そして静かに微笑んだ。
「そうだな。生き延びて、……そして一緒に生きよう」
SF
公開:20/07/17 23:33
希望 楽園

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