ゾンビになった母の話

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人をゾンビに変えるウイルスが蔓延し、僕の母もゾンビとなった。
僕を庇い、ゾンビに噛まれた母は「お前が無事でよかった」と言ってくれた。
母の動きが徐々に緩慢になる。体から熱が奪われ、肌が白くなっていく。
ゾンビ化する母を前に僕は泣き続けるしか出来なかった。
そして母は、ゾンビとなった。
呼吸は止まり、心臓も止まった。しかし、その動きは止まらなかった。
「で、今夜何食べたい?」
母はゾンビになっても母だった。
信じられない。急いで母を病院に連れて行く。先生も驚いていた。
ゾンビなのに意志疎通ができる。その理由は母の体にゾンビ化に対する抗体らしきものがあるからだと言う。
急ぎ母の持つ抗体の研究が進められた。
1年後。抗体を打ち込む事で死亡は免れないものの、自我の保持は可能となったゾンビは人を襲う事がなくなった。
「ゾンビ化なんて風邪みたいなものよ」
そう話す母さんはさすがだとしか言いようがない。
SF
公開:20/07/15 19:14

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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