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滝の音が響く中、握った彼女の手は震えていた。振り返ると、怯えた眼差しとかち合う。
「大丈夫だって。ただの肝試しだよ」
「でもこの先は」
橋を渡った先は暗い森だ。左手の懐中電灯は心許ない。
「大丈夫だって」
大股で歩き出す。不安定な吊り橋が大きく揺れる。
「きゃあ!」
彼女はよろめき、ぼくの腕にしがみついた。
「ご、ごめん」
俯く彼女の体温を感じつつ、ぼくは胸の内でガッツポーズを決めた。『吊り橋効果』を利用して、彼女との仲を一気に縮めようという策略が、上手くいきそうだ。橋がよく揺れるよう、細工をしておいて良かった。
ニヤつく口元を押さえた時、ブチブチといういやな音が響いてきた。
「大丈夫だって。ただの肝試しだよ」
「でもこの先は」
橋を渡った先は暗い森だ。左手の懐中電灯は心許ない。
「大丈夫だって」
大股で歩き出す。不安定な吊り橋が大きく揺れる。
「きゃあ!」
彼女はよろめき、ぼくの腕にしがみついた。
「ご、ごめん」
俯く彼女の体温を感じつつ、ぼくは胸の内でガッツポーズを決めた。『吊り橋効果』を利用して、彼女との仲を一気に縮めようという策略が、上手くいきそうだ。橋がよく揺れるよう、細工をしておいて良かった。
ニヤつく口元を押さえた時、ブチブチといういやな音が響いてきた。
ホラー
公開:20/07/14 20:07
更新:20/07/14 20:08
更新:20/07/14 20:08
吊り橋
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肝試し
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