消去系マジシャン

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マジシャンは、つい得意なマジックばかりをやってしまう。私もその一人だ。大抵いつも、お客様からモノをお借りしてパフォーマンスをする。この日も、中年のサラリーマンがつけていた腕時計をお借りした。

「3.2.1...」

見事、腕時計を消すことに成功した。そして会場は歓声に包まれた。再び言う、

「3.2.1...」 「3.2.1...」

まずい。消した時計が再度現れてくれない。どうしよう。

私は潔く言うことにした。

「申し訳ございません。時計が再び現れることはありません。マジックは失敗です。」

会場の空気が一気に凍りついた。今すぐここから逃げ出したい。すると、中年のサラリーマンが怒鳴り声を上げた。

「そうやってお前は、最初から俺の時計を盗むつもりだったんだろ!」


腹が立った。


「3.2.1...」


私はその中年のサラリーマンを消した。会場は大歓声に包まれた。
ホラー
公開:20/07/14 20:04
更新:20/07/20 22:46

日常のソクラテス( 神奈川 )

19歳男子大学生です。
ショートショートの自由でちょっぴり不思議な世界観に惹かれ、自分も書いてみたいと思うようになりました!
主に恋愛、青春、ファンタジー、日常系を中心に書いています。
まだまだ勉強中です!ぜひコメントいただけたら嬉しいです!
空想競技コンテスト銅メダル『ピンポンダッシュ選手権』
空想競技コンテスト入賞  『ダメ人間コンテスト』
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最近は少し長めのお話を書いているので更新少なめです^^

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