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凡人と天才を分かつ道があるという。
この道を渡り切れた者だけが天才として歴史に名を刻むことができるのだ。
天才を夢見た青年は道の前で深呼吸をした。
歩を進めると漆黒の門にぶつかり、不気味な門番が口を開く。
「天才になる覚悟はあるか。第一関門は批判じゃ」
天才は常識を覆す発想を生み出すため、周りから理解されず、他人からの罵詈雑言が尽きない。
「よく耐えられたな。第二関門は孤独じゃ」
天才は空想・妄想を膨らませるため、一人の時間がないといけない。
「ついにここまで来たな。最後の関門は狂気じゃ」
最後の関門に集まった20人で首を取り合い、相手の道を断つことで狂気が育つという。
青年は一心不乱に首を取りつづけ、最後の一人に残った。
「お前は特に優秀だな。鬼の形相をしておるぞ」
天才の中でも、鬼才になれたようだ。
青年は道を渡り切り、後ろを振り返る。
「人の道を踏み外してしまった」
その他
公開:20/07/15 12:00

ゆう( 東京都 )

はじめまして。ゆうと申します。ショートショートのおもしろさに惹かれ、不定期に投稿しています。みなさんと交流ができたらうれしいです!

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