変わらぬ思い

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「もし時間を巻き戻せるとしたら、いつに戻る?」

「そうだな、高校の卒業式かな」

「なんで?」

「好きだった子がいて、その子に最後まで告白できなかったんだ」

「そうなんだ」

「だからその頃に戻って、気持ちを伝えたい」

そう言った瞬間、まばゆい閃光が僕を包んだ。
目を開けると、あの頃の景色が広がっていた。
校舎、クラスメイト、そして僕。
すべて、あの頃のままだ。

僕の視界に、あの子が近づいてきたのが見えた。
彼女はあの頃と何も変わらないが、僕はあの頃とは違う。

伝えなきゃ…

だが、緊張で体が思うように動かない。
彼女は、そんな僕の目の前を通り過ぎて行った。
結局、また言えなかった。

再度、まばゆい閃光が僕を包む。

目を開けると、話をしていた時と何ら変わらない世界が広がっていた。

「大丈夫?」
友人が僕に声をかける。

もう、同じ後悔はしたくない。

「実はさ…」
恋愛
公開:20/07/14 23:52
更新:20/07/15 00:00

坂尾 のぼる( 愛知 )

毎日1本、短編を書くのを目標に再度始めました。
暇なときにでもご一読ください。

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