290. 星捕り(続き)

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そうやって30分も経った頃にはぼくもいくつかの星を捕ることに成功するようになった。
一時間程経って少し疲れたので休憩しようということになり、お父さんは車に積んでいたクーラーバッグから瓶のラムネを二本取り出した。

「「乾杯☆」」

そう言うと、星たちはかごの中で
チカッ、チカッ
と眩しく瞬いた。
僕は5つの星を捕まえていた。

「降参と祝福の合図じゃないか?」とお父さんは笑った。
ラムネは銀色の星の光に照らされて、瓶自体がまるで宝石みたいに見えた。

飲み終わると、さぁそろそろ空に帰してやりなさいとお父さんに言われたので、名残惜しかったけどかごを開けてそれらが帰るのを見送った。

次の瞬間、空には大きな流れ星が5つ──。

「子どもたちを返してくれてありがとう」って言われた気がした。
ファンタジー
公開:20/07/13 08:00
更新:20/07/13 12:04
創作ドリル ストーリー11 星捕り

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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