包み隠さない話
26
14
中学校の帰り道、俺はアカネと歩いていた。
「私さ、ブラジャーが欲しいんだよね」
溜息まじりにアカネが言い出した。
「なんだよ、いきなり」
俺の声が上ずった。
「いまスポブラつけてんだけど、ぺらっぺらで乳首透けるし、体育のとき胸が揺れて痛いんよね」
「親に買ってもらえばいいだろ」
おい、いくら幼馴染みだからって、少しは恥じらえよな。
「ムリ!私親と仲悪いから。いいよね、シュンの親は優しくて」
アカネは平然と言うけど、目が悲しんでいた。
助けてやりたいと思った。
夕食の時間、俺は思い切って真剣に言ってみた。
「なあオヤジ、俺にブラジャー買ってくれないか?」
場が凍りついた。オカンも妹も唖然となった。
オヤジは俺を凝視したまま、ピクピクと肩を震わせた。
「シュン、今まで気づいてやれなくてすまん」
オヤジの目に涙が溢れた。
「心は女だと気づいてやれなかった俺は、父親失格だ」
誤解は一時間続いた。
「私さ、ブラジャーが欲しいんだよね」
溜息まじりにアカネが言い出した。
「なんだよ、いきなり」
俺の声が上ずった。
「いまスポブラつけてんだけど、ぺらっぺらで乳首透けるし、体育のとき胸が揺れて痛いんよね」
「親に買ってもらえばいいだろ」
おい、いくら幼馴染みだからって、少しは恥じらえよな。
「ムリ!私親と仲悪いから。いいよね、シュンの親は優しくて」
アカネは平然と言うけど、目が悲しんでいた。
助けてやりたいと思った。
夕食の時間、俺は思い切って真剣に言ってみた。
「なあオヤジ、俺にブラジャー買ってくれないか?」
場が凍りついた。オカンも妹も唖然となった。
オヤジは俺を凝視したまま、ピクピクと肩を震わせた。
「シュン、今まで気づいてやれなくてすまん」
オヤジの目に涙が溢れた。
「心は女だと気づいてやれなかった俺は、父親失格だ」
誤解は一時間続いた。
青春
公開:20/07/12 21:53
更新:20/07/12 21:54
更新:20/07/12 21:54
スポブラ=スポーツブラ
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
ログインするとコメントを投稿できます