お譲りします
4
4
昨夜から熱が下がらず、金曜の朝病院に行った。診察時間前だというのに、もう10人ほど待合室に座っていた。受付していると最初のひとりが呼ばれ、続いてふたりめが呼ばれた。このペースなら仕事に遅れずにすむと思っていると、老婆が近づいてきた。
「私次の次なんだけど、お譲りしますよ」
一度は断ったものの「私は暇だもの。あなたスーツだしお仕事あるんでしょう?」と言われ先にさせてもらった。
診察を受けると思いのほか病状が悪いようで、その日のうちに入院することになった。
「病院の入院セット頼んだから、寝巻きはそれ使ってね」
タオル類を片付けながら妻が言った。
「明日から詳しく検査するそうよ」
妻が帰ると手持ちぶさたで売店に向かった。店員が顔見知りらしい客と話していた。
「この病院、13日の金曜日に診察室に4番目に呼ばれた人は、1ヶ月以内に亡くなるジンクスがあるんだって」
次の次。まさか。いやまさか。
「私次の次なんだけど、お譲りしますよ」
一度は断ったものの「私は暇だもの。あなたスーツだしお仕事あるんでしょう?」と言われ先にさせてもらった。
診察を受けると思いのほか病状が悪いようで、その日のうちに入院することになった。
「病院の入院セット頼んだから、寝巻きはそれ使ってね」
タオル類を片付けながら妻が言った。
「明日から詳しく検査するそうよ」
妻が帰ると手持ちぶさたで売店に向かった。店員が顔見知りらしい客と話していた。
「この病院、13日の金曜日に診察室に4番目に呼ばれた人は、1ヶ月以内に亡くなるジンクスがあるんだって」
次の次。まさか。いやまさか。
ホラー
公開:20/07/13 22:39
ボケ防止にショートショートを作ります
第二回 「尾道てのひら怪談」で大賞と佳作いただきました。嬉!驚!という感じです。
よければサイトに公開されたので読んでやってください。
ログインするとコメントを投稿できます