はじめての願い事

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 食べ物を探してゴミ捨て場をあさっていたら、金色のランプを見つけた。中身を覗こうと蓋を開けたら、人型の何かが現れた。
「私はランプの魔人。あなたの願いを1つ叶えて差し上げましょう」
 俺は悩んだ。日々生き抜くのに必死で、願いなんて考えたこともなかった。いくら食べてもなくならない食べ物や水、不死の肉体、心休まる隠れ家、仲間の救出などなど……。
「では、できる限り苦しませた後、人類を滅亡させてくれ」
「招致いたしました」
 魔人は消えた。直後、あちこちで悲鳴が響き渡った。
 『モルモット』なんていう忌々しい名前をつけて、実験という名の元、俺たちを虐殺しやがって。
「ざまあみろ。さて施設に囚われた仲間を助けに行くか」

 意気揚々と研究施設へ向かった彼だったが、数刻もしないうちにこの世を去った。
 管理者が死に、制御を失った研究用の有毒ガス。それが、囚われた仲間もろとも、彼の命を奪ったのである。
SF
公開:20/07/13 21:17

ゆぅる( 東京 )

お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!

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