蜃気楼

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照りつける太陽の下、俺は砂漠を歩いていた。
もう何日も飲まず食わずで今にも倒れそうだった。
「もうだめかもな……」
そう言おうと口を動かしたが、声はでなかった。
もうすぐ死ぬという予感がした。
それを証明するかのように、さっきから進行方向にサバンナが見えている。
歩いても歩いても近づけない幻のサバンナだ。
蜃気楼で見えるのがオアシスではなくサバンナとは、なんとも皮肉なものだ。
俺は思わずニヤリとした。
それが最後のエネルギーだったのか、俺はバタリと前のめりに倒れた。
もう目を開けることもできなかった。
すると音が聞こえてきた。
幻聴だろうか。
ライオンのうなり声が耳元でした。
それが本物かどうか確かめる体力も残っていなかった俺は、そのまま死へと旅立った。
公開:20/07/11 18:27
スクー 距離感が近いサバンナ 募集は過ぎたけど投稿

田坂惇一

ショートショートに魅入られて自分でも書いてみようと挑戦しています。
悪口でもちょっとした感想でも、コメントいただけると嬉しいです。

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