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 彼女のバレエを観るために僕は生きている。日々気力を与えてくれる彼女にどれほど感謝しているか。

 あんなにも子どもの頃から努力しつづけプリマにまで登った素晴らしい人! 何でも望みを叶えてあげたい。
 何気ない会話のなかでポツリと漏らしたのは「自分だけの稽古場があれば」という言葉。さらなる高みを目指すためにもっと努力したい、ということだ。静謐な瞳の奥に情熱の焔があるのを、ひしひしと感じている。

 僕の力では全く無理な話……しかしネヴァ川に架ける橋の建設費があるではないか。公金横領などたいしたことではない、断罪されればいい。
 借金を踏み倒して大業を成した芸術家は讃えられる。僕が芸術家ではないのが罪なのだ。
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公開:20/07/12 14:33
更新:20/08/15 12:11
#1909年 #歴史上の人物

沓屋南実(くつやなみ)( 日本の真ん中辺 )

「生きている人間ほど怖いものはない」ということで、出てくる人たちは有名無名どちらもリアルにいた人たちを根拠にしています。お話としてはフィクションです。

ほぼ300字or140字小説をツイッターに投稿しています。

・歴史もの、音楽関係多めです。実在する人物を描いています。

・現代社会みたいなお話も書きます。

コメント大歓迎です。よろしくお願いします。

ツイッター @namisnovellett2
エブリスタ https://estar.jp/users/200718566

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