アルバイトするゴリラ

「社長！　ゴリラを雇うだなんて、正気ですか？」
「上から人件費削減を言われていてな」
「だからって、襲われても知りませんよ！」
「ゴリラはあー見えておとなしいやつなんだ」
「そういう問題ですか？」
「じゃあ、君のクビでも切ろうか？」
「い、いや……そ、それだけはご勘弁を……」
「だったら文句を言うんじゃない！」
「しかしゴリラに仕事が出来るんですか？」
「なーに、そこらのアルバイトより優秀だよ」
「本当ですか？」
「見ればわかるさ」

現場に行くと、ゴリラたちは元気にクソを投げていた。

「な」
「確かに。これは素晴らしい」
「これで人件費はバナナ代くらいさ」
「安いですね」
「最後だけは辺り構わず投げつけるから、しかるべきところに投げるようにする教育は必要だがね」
「なるほど」
「まぁ、これからはゴリラの時代だよ」

ここは清掃会社。ゴリラのアルバイトのおかげでトイレはピッカピカである。