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虚な私はひんやりとしたものが頬を撫でたのを感じ、目蓋をゆっくり開ける。
眼の前を、緑と藍のカラフルな穂先の長草が、私の進みたい方向を切り開くように折れ曲がる。
バサッ、バサッバサッ…
顔に砂がかかる。
私は強く首を左右に振り、砂を払い、正面に顔をやる。
そこは、水平線の彼方まで広がる草原だった。
私は帰ってきたのか…
遠吠えが聞こえる。
その中に仲間の声が。私は呼ばれている。
今まで燻っていた身体の内にあった炎が一気に点火され、その炎で私の黄色地は輝き、黒斑が艶を増す。
私はサバンナで1番速い。
私も雄叫びを上げ仲間の元へ駆けてく。
ーー真夜中
彩り豊かな鳥達が、ある檻に集っていた。
そこで孔雀が美しい飾り羽を広げ、オウムたちは砂を這うように舞う。
それに合わせるかのように、一斉に動物園の動物達は雄叫びを上げる。
仲間の魂が遠くに行くとき、最後の夢をと、本来の場所へと行けるようにと。
眼の前を、緑と藍のカラフルな穂先の長草が、私の進みたい方向を切り開くように折れ曲がる。
バサッ、バサッバサッ…
顔に砂がかかる。
私は強く首を左右に振り、砂を払い、正面に顔をやる。
そこは、水平線の彼方まで広がる草原だった。
私は帰ってきたのか…
遠吠えが聞こえる。
その中に仲間の声が。私は呼ばれている。
今まで燻っていた身体の内にあった炎が一気に点火され、その炎で私の黄色地は輝き、黒斑が艶を増す。
私はサバンナで1番速い。
私も雄叫びを上げ仲間の元へ駆けてく。
ーー真夜中
彩り豊かな鳥達が、ある檻に集っていた。
そこで孔雀が美しい飾り羽を広げ、オウムたちは砂を這うように舞う。
それに合わせるかのように、一斉に動物園の動物達は雄叫びを上げる。
仲間の魂が遠くに行くとき、最後の夢をと、本来の場所へと行けるようにと。
公開:20/07/09 23:18
更新:20/07/10 07:18
更新:20/07/10 07:18
スクー
距離感が近いサバンナ
最近生業が忙しく、庭の手入れが疎かな庭師の庭でございます。
「これはいかんっ!!」と突然来ては草刈りをガツガツとし、バンバン種を撒きます。
なので庭は、愉快も怖いも不思議もごちゃごちゃ。
でもね、よく読むと同じ花だってわかりますよ。
Twitter:さささ ゆゆ@sa3_yu2
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