クリスマスはドローン日和

0
2

 画面越しにドローンを操作する。ゲーム感覚で操作できるため、機械に関しては素人の私でも扱いやすい。
「仕事量は増すばかりだが、それでも昔に比べ随分と楽になったものだ」
 今日のターゲットは新海3丁目2番地、12月24日19時33分頃通りすぎる20代後半の男女。15分前だが現地にドローンを待機させる。
 当事者にバレては効果が激減するため光学迷彩を起動。武器のロックを解除し発射体勢に移行させた。
「あの……もしよければこれから食事に行かない?」
「ごめん、明日朝から会議あって……」
 人はどの時代でも同じだ。あの女のように自分の心に嘘をつき、チャンスを不意にし絶望する。ローマ時代から何も進歩していない。
「後悔するって本当はわかってるくせに」
 私は感情の赴くままコントローラーについたボタンに指を添え、押した。
「発射!」
 ドローンから放たれたキューピッドの矢は見事二人の胸を撃ち抜いた。
SF
公開:20/07/10 21:48

ゆぅる( 東京 )

お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容