透視眼鏡

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 煩悩にまみれた博士が寝静まった夜。泥棒が博士の家に侵入した。
「なんて不用心な奴だ。しかし、金目のものが全然ない。残念だがこの変な眼鏡をいただくとするか」
 泥棒は見事博士の家から脱出し外へ出た。そして、ふと興味が沸き眼鏡をかけてみた。
「なんということだ。通行人がみんな下着姿に見えるぞ!?」
 そこへ、赤いドレスを着た女性が歩いてきた。泥棒は眼鏡をこねくり回し、ネジで倍率が変えられることに気付いた。
 魅力的な女性、何としても生のボディを拝見したい。しかし微調整が難しい。あと少し、あと少しで見える! 見える!
「見えた!」
 と泥棒が言った瞬間、油がたっぷり乗った大柄の中年男が、女性と泥棒の間に立った。
「ギャー!」
 見てはならぬものを見た泥棒は絶叫。それを聞きつけ博士もやってきた。
「儂の眼鏡を使って、女体を透視しやがった!」
 両者は女性によって速やかに通報され、署へ連行された。
SF
公開:20/07/08 20:50
更新:20/07/09 17:31

ゆぅる( 東京 )

お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!

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