しげるの日曜日

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「おい、お前。そこで何をしている!」

突然声をかけられ振り向くと、そこには制服警官が二人いた。

「ああ、ちょうどよかった。どうしようかと思っていたので」

と、僕が言い出したところで、警官の後ろから小走りにやって来る女性が叫びだした。

「ゆき、ゆきなのね! 無事でよかった……」

それに応えるように、僕が抱き抱えていた幼女が泣きわめきだす。

「ままああああ!」

この状況に、問題が解決したと僕は安堵したのだが、雰囲気がおかしい。

「ままあ、ままあ! このお兄さんがここまで連れてきたの。ひっぐ」

「なんてこと! ちょっと目を離した隙に可愛い娘をさらうなんて!」

泣きじゃくる娘。僕を睨みつける母親。何かおかしい。迷子を保護して警察にでも行こうと思っていただけなのに。

「署まで同行してもらおうか」

強張った表情のまま僕はパトカーに押し込められた。

なんでこうなった?
その他
公開:20/07/08 11:56
371 映画「シベールの日曜日」 このあと彼の運命は 冤罪はこうして生まれる オオカミの自信作

武蔵の国のオオカミ( ここ、ツイッタランド、タイッツー )

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