少年探偵団

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私は小学校の頃「少年探偵団」を楽しみに、いつも映画館に行っていた。江戸川乱歩の小説がベースで、二十の顔を持つ男、大富豪にもなれば乞食にもなる、大悪党にもなれば博士にもなる変装術の達人、怪人二十面相が登場する。
対し名探偵明智小五郎と少年探偵団が立ち向かうシリーズ映画だ。明智と探偵団の知恵と勇気が勝つか、時として小林少年は女装し二十面相やその手下を尾行しアジトを突き止める。

私は探偵団を真似して、悪人面の男を勝手に犯人と決めつけ、電柱や木陰に身を隠しながら尾行する、勿論少年探偵団のバッチ宜しく金牡丹を付けていた。

この映画を見る時は客席の全員が総立ちし、拳を高く振り上げテーマ曲に合わせ♪ボ、ボ、僕らは少年探偵団 勇気凛々るりの色・・♫と、大合唱を始めるのが暗黙の了解であった。
只ある時私の周りの子供達に比べ、いつの間にか頭一つ飛び出す中学生になっている自分に気が付き引退を余儀なくされた。
ファンタジー
公開:20/07/09 19:38
更新:20/07/09 19:43

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