289. シマの分け合い

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悪天候に乗じて泥棒に入ることにした。
その家には前から目を付けていたのだが、つい最近も宝くじの高額当選をしたという噂が広まっていた。おまけに家主は自宅にその札束を保管しているという。
風雨の強いその日ついに俺は決行することに。風で窓が割れたと思わせて侵入した。暗く、留守だと思っていたその家には女が1人残っていた。早急に口をガムテで覆い手足を縛りあげた。
「おぃ金庫はどっちだ?」『ここです』
女は落ち着いて返答する。おかしいな、普通はビビるはずなのに…。
俺は金庫破りは得意なので難なく開けた。
『ありがとう。私は手間取っていて』
「え?それじゃあお前も泥棒なのか?」
『そうです。私は宝飾品を回収したので、現金は少しだけでいいです』
よく見ると前に付き合ってた女だった。
「お前もやるなぁ!」
シマの取り合いはヤメだ。
俺たちはウマい具合に配分すると、侵入した痕跡を消し手を取り合い逃げ出した。
ミステリー・推理
公開:20/07/09 16:33
更新:20/07/09 22:38
スクー カラフルなシマウマ

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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