時をかける少女

「どうして私を捨てるの！？　2年も連れ添ってきたじゃない」
「ほんとうに感謝しているんだ。分かってくれ」
「いつもあなたが目覚めたい時間に起こしたじゃない！　忘れたことなんて一度もないのにひどいわ」
「寸分狂わず起こしてくれるお前はすごいよ。おかげで遅刻せずに会社に行けている」
「あなた言ったわよね？　私なしでは生きていけないって。いまでもちゃんと覚えているんだから」
「俺もその言葉は覚えている。ただ、どうしても他の子が気になるんだ」
「私のいる前でキレイとかスペックがいいとか散々褒めていたわね。もういいわ、さようなら」
「待ってくれ！　お前への感謝はほんとうなんだ。だから、俺を信じてリサイクルさせてくれないか。新しくなったお前を使いたい」
「分かった。未来で待ってる」