ケンケンパ

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「ケンケンパ」
男は電灯の明かりに浮かんでいるチョークの輪を酔った足で飛ぶ。
「おっとっと、うまく飛べないな」
家の前に水色の三輪車が置いてあるのを見つけ「ここの子の罠かな」と笑う。
もつれた足で、前に飛ぶ。
あ、と思った時にはもう壁が目の前だった。


「もう、みかちゃん。ケンケンパやったでしょう。ちゃんと消してくれないと」
母親は、ホースで壁に残った影を洗い流した。
その他
公開:20/07/09 14:00

射谷 友里

射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。

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