いつもと違う

夏休みのある日のことだ。
夕方過ぎに起き洗面所の鏡を見た時、自分の姿がいつもと違った。
この姿は完全に…

「もー最悪！」
その声を聞いた母が私の元に来た。
「あなた牛になっちゃったのね。夏休みに入って食べて寝てばかりしているからそうなるの。ちゃんと人間らしい生活をしないと、人間に戻れないよ」
そんなことを言う母の姿もいつもと違っていた。
「お母さん豚になってるじゃない。」
「本当だわ。何でかしら？」

少し遅い朝食を取る為リビングへ向かった時にあることに気付いた。
「携帯変わった？」
「さっき機種変更してきたの。最新式よ」
自慢気に母は言う。文字すらまともに打てない機械音痴の母が最新式など扱える訳がない。
そうか。だから豚になったのか。

おっと、今はそんなことどうでも良い。
生活習慣を変えないと、夏休み明けも牛のままになってしまう。
私は心の中で宣言した。
「よし、明日から頑張ろう。」