夕方に晴天

人生に疲れた時。
落ちぶれた時。
この先の人生に闇を感じてる時。
やる気もなく、何もしたくなくなる。
「どうせ、うまくいかないよな。なにやっても駄目だよな。」男は言う。

今まで自分の人生が嫌で仕方がなかった。
途中で投げ出し、やはり駄目だと自信を失くす。
前に進もうという気持ちは失われ、何もしたくないのだと自分を甘やかす。
「どうせ、駄目なんだから、やっても時間の無駄だ。」
そう言って、現実から逃げ出してきた。

「あなたなら、出来るよ。」彼女は言った。
その一言で充分だった。
成功の自分しか想像出来なかった。
一人でいると自分に対して否定的になる。
何をしてても、過去の自分が顔を出し、そして罵倒する。
そうやって、いつも自分の可能性を信じない。
愛する者の言葉程、元気付けられるものはない。
男の心の中は陽が沈みかけた夕方から、晴天となった。堂々と生きる覚悟に変わった。