俺は猫

0
1

俺は猫…である。名前は、有るといえば有るが、無いといえば無い。
俺のご主人様は一人暮らしの女性だ。可愛いからと俺たちを選んでくれた。そして俺は、ひと月前からここに居る。
彼女は毎日、ほぼ同じ時間に俺のところに来て、俺は彼女の相棒となって仕事をする。
だが、俺はそろそろ役目を終える頃だと、気がついていた。
「随分汚れちゃったな。」
彼女が俺を見て呟く。良いんだ。それが俺の仕事だから。
「替え時、かなあ。」
オイ、そんな声出すなよ。たかが俺との別れに、さ。
「ひと月、ありがとうね。」
どういたしまして。アンタの相手をするのは結構楽しかったよ。

俺の身体に付いた泡を丁寧に水で注ぎ、ナイロン袋に入れた。これでもう俺が彼女の顔を見ることは、無い。
明日からは、俺と同じ形をした猫スポンジが、彼女の相棒となるのだ。
ファンタジー
公開:20/07/07 20:01

とこたコト( 愛媛県 )

物書き初心者です。一つずつ勉強していきます。
しばらくぶりでございました!この頃ずっと余裕が無い日々を送っておりましたが、どうにかこうにか戻って来ました(^_^;)
まだもう少しカメさん歩きになりそうですが、またまた頑張ります!
駄文ですが、どうぞ宜しくお願いします。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容