友達の話

0
2

「今日はまさみに私の友達を紹介してあげる」
幼い私に彼を紹介した母。真っ白く透き通った肌に私は目を奪われた。
彼と私は何度もキスを交わした。私は濃厚なのが好きだけど、母の目もあり、私が口に出来るのは薄めのものが多かった。
周りは夏の彼が好きだと言う。私は1年中、彼が好きだ。
冷たくてクールなんだけど、偶にシュワッと刺激をくれるところがたまらない。
思えば、夫と出会ったのも彼のおかげだった。
夫は青春時代いつも彼と一緒だったと言う。青春と恋は彼あってのものだと楽しそうに話していた。
そんなところに私も惹かれたんだと思う。
夏祭りに始まった恋は数年後に結ばれた。

「今日はゆあに私の友達を紹介してあげる」
母となった私は、昔、母がしてくれたように彼を娘に紹介する。
母も祖母から、祖母も曾祖母からこうやって紹介されたんだって。
彼の名前は『カルピス』。
今年101歳の、皆に愛される青春飲料水だ。
青春
公開:20/07/07 18:58
7月7日・カルピスの日

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容