つらいお仕置き

パパったらひどいよ。
ライバルをイジメたぐらいで、こんなひどいお仕置きをするなんて。
もともと向こうから勝負を挑んできて、罰ゲームはお約束だったんだよ。
僕はパパの教えを守って、太陽をコントロールしたし、インテリジェンスで芸術にも優れた能力を発揮したじゃないか。
それなのに、スッポンポンで地上に縛り付けるなんて。
この広場で僕だけが隠してないから、みんなの視線が辛い。
肩にかかったベールを腰に巻きたいけど、全く動けないから無理。
僕はみんなが認める超イケメンなのに、こんな恥ずかしい姿じゃ、人気ガタ落ちだよ。
パパ、早くこのお仕置きを解いて。

息子は父のいる天空を毎日毎日眺めながら祈った。

「おや、アポロよ。戻ってきたのか？」
息子の声に気づき、全能の神があたりを見回すと、雲の上に頭だけがでている。
珍妙な姿に下界を覗いてみると、彫像にした息子の長〜い首が地上まで続いていた。